2022.06.30 お知らせ 【法学部】警察官志望者必聴。「警察学入門」をレポート


 大阪経済法科大学の法学部は2年生からコースを選択し、それぞれの専門性を深めます。では、どのような授業があるのでしょうか。本日は、公務員コース・警察官モデルの2・3年生が主に履修している専門教育科目「警察学入門」についてご紹介します。
 
 「警察学入門」は警察署長を歴任した中久保先生が担当。授業は2部構成で、1部は前回の授業で学生が疑問に思ったことや質問に回答する振り返り。そして、2部は本日のメインテーマについての学修です。
 
 本日6/30の授業では、1部にて、前回授業の「都道府県警察の職員(公務員としての義務と不利益処分等)」について、約40個もの意見・質問が寄せられていました。事前に中久保先生から質問者に回答がなされているものの、その中で主だった約15個の質問について、改めて回答・解説がありました。質問は、警察官の給与や年次有給休暇、職務規程違反など、さまざまでしたが、警察官時代の経験を踏まえた丁寧な解説で、非常に興味深いものでした。
 

警察官には、なぜ高い倫理観が求められるのか?



 2部では、本日のメインテーマである「警察官の職務倫理」について。公務員にも様々な職種があるのは皆さんご存知の通りですよね。そして、憲法前文にもあるように、公務員は国民から負託(委託)されて職務を行っています。ただ、その中でも、警察官は「個人の生命、身体及び財産の保護」「公共の安全と秩序維持」という重大な責務を担っているため、特に『高い職務倫理』が求められるそうです。
 言い換えると、警察官は被疑者の逮捕など、危険を伴う仕事を国民から負託されているため、職権乱用はあってはならず、国民の信頼を前提としていることが重要と言えるわけです。このことは、警察法第2条第2項や、警察官職務執行法第1条第2項などにも規定されており、その規定も確認しながら理解を深めていきました。
 
 また、警察官には『高度な専門性』が求められるそう。それはなぜでしょうか?
警察官の目の前で犯罪が行われた時、わざわざ上司の決裁を取った上で逮捕なんて手続きを取らず、その場ですぐに逮捕(現行犯逮捕)しますよね。これは、個人の生命や身体、財産への危害を左右する重大なことで、現場の警察官の判断で行わなければならないからであり、そのために、警察官個人に権限が付与されているのです。だからこそ、警察官は高度な専門性と高い倫理観、そして強い使命感を持っていなければならず、警察官は日々の鍛錬を欠かさず、法律に対する正確な知識や理解を持ち、社会の変化に即した対応を行い、迅速かつ的確な判断力を養い続けているのです。
 
 これらのことは、「権限委託による職務執行の責任」や、「特殊性による職務執行の責任」と言うそうで、その他にも、職務倫理規定に関して、警察職員の職務倫理および服務に関する規則第2条第1項など、関連規則を確認しながら学修していきました。
 
 受講した学生からは、
「警察官は国民の信頼を損なうことはあってはならない職業であるということを改めて理解しました」
「私が警察官になった際には、職務倫理は警察官である限り忘れないようにしたいと思います」
「警察官は職務に対する「誇り」に関しても様々な意味を含んでおり、他の公務員とは異なることがよくわかりました」
など、様々な意見が寄せられました。
 
 警察官になりたいという想いをお持ちの方は必聴の授業です。ぜひ受講してみてはいかがでしょうか。